めろめろ
大学内をふらふら歩いているとき、
いつも思い出す情景がある。
夜の芝生に寝っ転がって、
ゆっくりと欠ける月を静かに眺める。
この世界には興味のあるもの以上に
興味のないものが多すぎる。
けれど私にとって興味のない大多数のものそれぞれに
めろめろになっている人もいて。
その日インターネットではナントカ月食で話題は持ちきりで
それにめろめろになっている人の「見てみようよ」の一言で
私ははじめて夜の芝生に寝っ転がって、ナントカ月食を見たのだ。
この世界には興味のあるもの以上に
興味のないものが多すぎるけど
何かにめろめろになっている人の側にいるのがどうも好きなようなので、
その人たちのおかげで知りたいものが増えていくのは嬉しい。