「やもりさん」を描きながら思ったことなど

 

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大きな地震を契機に、友人が立ち上げた"非常食宅配定期サービス yamory"

HP内にある震災対策ブログを盛り上げるために記事の一種として、

防災啓発まんが「やもりさん」をぽちぽちと描かせて頂いています。

 

"防災啓発をやさしく漫画で"というのが友人のリクエストで、

森にあるシェアハウス「もりびとハウス」(何処かで聞いたような…)の管理人、やもりさんを

中心に、災害の多い森での住人たちのお話を描きはじめました。

 

勿論ネタの中身も一任されており、様々な災害対策について書かれたサイトや書籍を参考に、

ゆる〜い雰囲気を残すために、悪戦苦闘しながら描いています。

 

悪戦苦闘の大きな理由は、大抵の災害対策は個人で出来るものでは無いから。

記憶に新しい地震のような、大きな災害に個人で挑め、ということが無茶な話なのは重々承知だけれど、

自らが住む家の話や家を囲む塀の話、

また今回の大きな地震について「あんなところに家を建ててるのがおかしい」なんて意見は勿論、

原発に関して「早く今住んでる場所から逃げるように」なんて簡単に言われるけれど(簡単ではないかもしれないけれど)

そんな身軽に捨てられる大きさのものではない。(物体としても、そこまで作り上げた時間にしても)

それでも捨てなければいけないかもしれない、

そんな緊急事態を重々承知の上で、だ。



また、緊急ではない地域に関しても

「自分の家を建築士に点検してもらおう!」

なんて災害対策の薄くて可愛らしい冊子には、軽く書かれているけれど、

ってそんな簡単にやわらかく言える言葉なのか…

(点検自体は簡単だろうけれど…その後のことを考えるとさ、)

 

 

 

あくまで、防災啓発まんが「やもりさん」を描いている、という視点で語ると、

そんな大きな対策をやすやすとこなしていく住人たちの漫画は描き辛い、というだけの話ですが。

 

(そもそもこの漫画自体を子供が読むイメージで描いている。

 小学生くらいの子供が漫画から得たちょっと簡単な知識から意識を持ち、

 「うちはちゃんと◯◯してるの?」

 なんて夕飯時のお母さんの背中に言うことで防災意識を家庭内で話しあうような…

 だからこそ余計に"描き辛い"と思うのだろう。)

 

 

 

 

相手がどうやっても捉えられないような大きさを持っている以上、

"今すぐできる簡単な対策"なんて甘すぎる言葉で、

こちらも相応の時間やお金をかけてじっくり対策をしていかなければいけない。

けれど次に来る災害はいつ来るかもどんな形かも予想できないものかもしれない。

(それでも"科学の力"はなんとかしてくれるのかもしれないけれど)

あっちの災害に対策していたら、こっちの災害が防げないかもしれない。。。

 

災害対策について、考えれば考えるほど、よくわからなくなってくる。

最終的には

「いつでも終わりを迎えられるように」なんて、精神論に達してしまうのだ。

 

 

 

…すいません、この話に終着点はありません。

ただ「やもりさん」はこれからも、非常食をちゃんと備蓄しておくとか、

家具はきちんと固定しておくとか、そういう生活に近い部分にのみ触れて描いていきます。

 

 

 

そして、「やもりさん」の大元である"非常食宅配定期サービス yamory"は先日、

価格を安い方向に改訂し、更に自動継続プランを導入したそうで…

 

そちらを更新する際に友人が

 

"ただでさえ地味なサービスなので、改善もとても地味なものですが、報告させて頂きます"

 

と頭に言っていた言葉がいいなあと思ったのでシェアしておきます。

 

 

地味なサービス、地味なこと、

"地味"が重要な世の中になればいいのですが。