恋と退屈
「彼女はシェアハウスに住んでいて、
普通より多数の他人の恋愛を聞いたり見たりしながらも、
自分は恋愛をしていない不思議なひとです。」
と、先日の恋愛ワークショップにて講師の高石くんに紹介された。
(不思議だよなあ…)と思ってすぐに(不思議かなあ…)と思っていた。
自分が恋もしていない幼いうちから、友人の恋相談を聞いていた。
自分がセックスもしていないうちから、男の子の恋愛性相談を聞いていた。
話しやすいのか、聞き上手なのか、
確かに学生時代、いやもっと幼いうちから、ひとよりたくさん恋愛話を聞いていた気もする。
"なのに"自分は恋愛をしない
"だから"自分は恋愛をしない
ひとりしか出来ないテレビゲームがある。
わたしはテレビゲームをするのが苦手なので、自分でクリアできることはあまりない。
けれど、テレビゲームはすきだ。
他の上手なひとのテレビゲーム画面を見ているだけで、まるで自分がやっているように楽しめるのだ。
買えないけれど、やりたいテレビゲームがあったときは攻略本を買った。
攻略本を隈なく読むことで、わたしはテレビゲームをすることができた。
わたしは、わたしに相談をしてくれるあなたたちみんなと共に、
恋愛をしていたんだと思います。
(正確には、している気になっていたんだと思います。)
みんなと一緒にときめいて、みんなと一緒に傷ついて、
たまにはあなたとあなたの恋人と3人で実際におでかけして。
(わたしは友人カップルとの3人デートがとてもすき。)
いつか、それらが枯渇したときが、わたしが恋愛をするときなのかなあ…と締めようと思ったけれど、
そんなこと誰にもわからない。