心地の良い会話
だれかが自分のいちばんすきなことを話している横で「うん、うん」と聞いているのがとてもすき。
それとはまた別に、特に心地の良い会話を一緒にしてくれる相手がたまにいる。
それを例えるとき、
わたしはあなたと向き合ってはいない。
わたしとあなたは視線を合さずに、壁にかけられた(もしくはイーゼルに立てられた)大きな白いキャンパスにふたりで向き合っている。
ふたりはそれぞれすきな画材を持って、
描きたいものを描きながら、たまには呼吸を合わせながら、
そして気まぐれにふたりの線を混ぜながら、ふたりで1枚の絵を描いている。
絵の内容にはあまり興味がない。
わたしの横で同じように絵を描く、あなたの楽しそうな息遣いを感じるのが格別に心地良い。
そんな会話を。
だから、あなたと1つの大きな絵を描けるって思ったとき、とても嬉しかったんだ。