いくつになっても、まちあわせがこわい

デートで待ち合わせをするのがひどく苦手

 

昔は、誰かを待つこと自体がとにかく嫌だった。

"デートを楽しみに、待ちぼうけしている自分”を自覚するのが恐ろしかった。

(当時のわたしにとって恋愛とは、いかに相手から自分より多くの好きの気持ちを引き出すかの勝負だと思っていた)

だから、どんなに早く起きても、わざと10分20分遅れて家を出たものだ。

 

 

 

今はただ、デートがはじまってしまうことが恐い。

あなたに会えた時の顔、第一声をどうしようか、

どうやって話題を展開しようか、

どうやっても、あなたはわたしの中のあなたに沿ってはくれないし、

わたしはわたしを超えられない。

 

「10分遅れます」

の連絡にほっとして、近くの本屋で時間を潰しながら、

このままあなたが来なければいいのに、

とすら思う。

 

 

来ない相手を想い、待ち続けて、そのまま地縛霊になりたい。

 

 

 

 

 

 

どうしてわたしたちは、待ち合わせしないとデートすらできないんだろう。

偶然出会ってしまったあなたと、デートがしたい。