読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

継ぐもの

 

今を楽しめる人は、年齢に関わらず美しい。

私は彼女たちが好きだ。

いつまでも少女のように顔を赤くして、仲間とキャッキャと笑い合う。

 

昨日はフとした流れから、少しだけ戦争の話題になった。

奇しくも翌日は原爆投下日。

その話題が日付を意識し呼ばれたものかどうかはわからない。

 

 

「B29の赤い光が空を飾る様が、子供心に美しいと感じたの」

少女の瞳で彼女はそう言った。

 

 

語り継がれるべき逸話はいつも悲惨で、

だからこそ私たちは二度とその扉を開けてはならないと胸に焼き付ける。

あの頃ささやかに少女の心に宿った美しい光は、

歴史という大きな波に飲まれ消えていくべき産物。

語り継ぐ必要のない情景。

きっとその少女の瞳が閉じる時、誰の心からも消えて無くなってしまうものだから

せめてあの日の私たちだけはそっと覚えておいてあげよう。