散文 #8

 

家とは

帰ればあなたの顔が見れるとか声が聞こえるというのではなく

あなたの持つ空気が、家全体を取り囲みここに所属しているという事実が重要なのだと思う。

だからみんな夫婦や家族という

契約を重んじるのだろう。

 

 

わたしの人生を構成していた存在が一つ消え、

いや消えていないのだけどそこにいるのだけど

それでももう、二度と同じ密度で交差することはなく。

上書きできる分、余程失恋の方がましだわと思ったりしている。