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はいけい、あなたさま


とうとうこのときが来ましたね。

ここに住み始めてまだ2年足らずなのに、

もう最長老住人だなんて本当におかしくて少し笑います。

 


最近のおうちの夜の雰囲気は、

わたしがこの家に来た頃に少し似ていて、

あの頃を思い出すことが増えました。

 

 


夜の2時を過ぎれば、起きているのはわたしとあなただけで

そうでなくても他の住人がリビングで賑やかにしている声を聞きながら

イベントルームでふたり、カタカタと作業を進めたものです。

 


来た頃のわたしは、この家に長く住みつく気など全くなく、

4月になれば何処か知らない国へでも旅に出ようと思っていました。

それはあなたも少し似ていて

「あなたとわたし、どちらが家を離れるのが先かな」

なんて話していたのに、結局ふたりが一番長く住んでしまったねえ


あれよあれよと他の住人が離れていくさまを見届けながら、

「もしおうちが解散するならわたしを連れて一緒に住んでね」

なんて無茶を言い、

あなたがここに居続けるなら、わたしも一緒に居ようと

こっそり、でも固く決心をしたものでした。

 

 



そういえば、わたしが住み始めてすぐのあなたの誕生日。

住人みんなであなたに手紙を書いたのを覚えていますか?

出会って二ヶ月、そして当時はすぐお別れすると思っていた同居人に

なんと言葉を渡していいものか悩みこんなことを書いた気がします。

 



『人生はすれ違いの連続だと思っています。

 わたしとあなたは運良くここですれ違い、

 そしてすぐに離れ離れになっていくでしょう。

 けれど、お互いが動き続けている限り

 またきっとすれ違う日が来るものだと思います。

 わたしはあなたとまた、上手にすれ違えるのを楽しみにしています。』

 


なんか格好つけた癖に、

すれ違うどころか随分長く寄り添ってしまったねえ…w

 

先日たこちゅーに

「じゅんやとみみこはあんま一緒にいるイメージないなあ」

と言われてびっくりしました。

わたしの中ではやはり、この家といえばあなたとの時間の存在が多かったので。

イベントルームでPCを開きながら、

昼間に一緒に洗濯物を畳みながら、

急にDVDが観たくなって夜中にレンタルビデオショップまで歩きながら、

 


色んな話をしたり聞いたり、

相談にのってもらったりのったり、

いろーんなものを貰いました。

 

 


シェアハウスで一緒に住んでいてとってもいいなあと思うことは、

そのひとの人生が変容していく様を間近で見ていられることですね。

この2年の間で、あなたの生活習慣や仕事の仕方、

周囲とのコミュニケーションのとり方や、お金の使い方まで…笑

本当に、色々と変化していき、

それを「いいなあ」と羨んだり、「だ、大丈夫かな…」と心配したり、

その全てを川の流れを見るように、見つめられたことを嬉しく思います。

 

 



シェアハウスの同居人というものは、

恋人でもなければ、勿論本当の家族でもなく、

かと言って"友達"とも少し違うように思います。

お互いの生活や、人生の変容していく様に密着できるのも

それは所詮"家"という厚くて薄い材質の、容れ物に一緒に収まっているからに過ぎません。

 


いつも一緒にいて、近しく強い絆のように見えて、 その実はいつだって手を離せるような、

(だってみんないつかはそれぞれ家庭を持ったりしていなくなってしまう)

はじまるときから終わりが見えている、 そんな脆い関係。

 


だから、その容れ物から一歩外に出た時に

果たして別の関係を結ぶことが出来るのか、

そう例えば"友達"にちゃんとなれるのか、

それはあなたに限らず、今までこの家を離れたひと全てに思うことです。

 

 

 

離れるなんて言っても、

たかだか山手線の端と端というだけだけれど

わざわざアポをとって会わなければいけないことと、

家に帰れば会えることは、雲泥の差で。


この先あなたやわたしが何処に行こうと、どんな国に行こうと

どうでもよくなるくらい大きな差です。

 

「いってらっしゃい」と言えない

「おかえり」を言えない

「行ってきます」を言えない

「ただいま」を言えない

 

"友達"になれるでしょうか。

 

 

 

 

 

 

さて、2年前に送った言葉を、

今度こそ本当に贈れるようです。

 

この2年間、あなたからは本当にたくさんのものを貰いっぱなしでした。

世の中に関する知見、

マッサージで癒してもらったことも、

仕事との向き合い方のアドバイスも、

 


そして何より、

辛いことや悲しいことを思い出して凹んでいた夜、
話を無理に聞き出すでもなく、何かうまい言葉をかけるでもなく、
ただ傍にいてくれたこと。


自分を責める言葉を自分にぶつけていた夜道に、
あなたの時間に帰還できると思うと、ほっとしたものです。

 
 

これまでわたしが貰ったもののせめて半分程度でも、
あなたに返せていたのならいいのですが…。

 
ようやく"たがう"ことができたわたしは、これから先あなたとまたすれ違うことができるでしょうか。
 
それが叶うように、
そして今度こそ、あなたにもらうものよりほんの少しでも多くの、何かを渡せるように
 
上手くすれ違えることを願います。



今まで、本当にありがとう。

 
 
…とは言えまだおうちにたくさん荷物は残っているし、すぐに会うのだろうけれど笑
とりあえず、これにて。


ねこたみみこ

 

 

 

 

追伸

最近、自分を律するため、ちゃんと前を向くため、

「将来やりたいことリスト」なるものを作りました。

どんな大きなことも、小さなことも、ここに記すことで

逆算して今やるべきことを導き出せるのでとてもいいなあと思っています。

その中のひとつに、

・あなたと仕事をすること。

と書きました。

既にやってはいるのだけど…今度はもっと、ちゃんと、自力で辿り着けるように。

がんばるね。