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写真を撮る

 

大学で写真の勉強をしていた頃、教授に教わったことのひとつに

「大事なのはシャッターを押す瞬間ではなく、撮ったあとの写真を見て選ぶ時間」

というものがある。

 

 

 

シャッターは何回でも何万回でも押すことが出来る。

"押す"という行為に限って言えば、子供だって動物だって出来る。

けれど結果、焼き付いた画像が果たして

良いものかそうでないかの判断は、

そうそう皆に出来るものではない。

 

 

 

この教えは今でもわたしの中にしっかりと残っていて、

イベントの記録写真や、友人との旅行写真関わらず、

シャッターを押していた時の興奮がなるべく冷めないうちに、

そして冷めた後再度、熱を持っていた時の自分の選択と合わせて確認することを大事にしている。

 

 

 

 

実はこの時間が、写真を撮る上で一番照れくさい瞬間でもある。

「自分が写っているわけでもないのにどうして?」

と聞かれるけれど、

わたしが撮っている写真に、わたしが映っていないことなんてけしてないのだ。

 

 

どのひとをよく見ていたのか、どのひとをより写真におさめたいと思っていたのか、

このひとのこういう表情が好きだったのか、

シャッターを押すのに夢中だった時間には、けして気付かなかった自分の熱を持った感情を

まさか自分によってありありと伝えられる。

 

 

どの写真にも

その時間、シャッターが押された瞬間全てを通して

他の誰にも気付かれたくはないわたしの生の感情が

一番色濃く映っていて思わず照れる。